修理そのものは終了!2019/03/18

3月12日~14日は
3日連続でピアノの修理でした。

当初は、全4工程(4回)を月1ペースで
1~4月に行なう予定だったのですが、
「毎回、作業後にピアノを”弾ける状態”に
戻す時間がもったいない&手間がかかる」
ということもあり、相談の結果、
「一気にやってしまおう!」ということで、
今回は3連チャンとなりました。
(結局、修理そのものは全5工程でした)

≪1日目(3月12日)≫

前回の時より更にスタッフさんが増え、
12日は3人がかりで修理を続行!
前回やりきれずに残されていた
高音部のヒールクロスの張り替えに始まり、
ジャックボタンパンチングの張り替えや、
センターピンの交換などをして頂きました。

様子を見に行くと、
レッスン室は足の踏み場もないほどに
分解されたパーツで埋め尽くされて
見たこともない光景に…!
通常の調律では見ることのない
解体された部品たち。
何が何だか???の状態です。(笑)
どれもこれも小さなパーツたち。
1cmに満たないようなものばかり。
肩が凝り、目が疲れそうな作業です。((+_+))

≪2日目(3月13日)≫

大がかりな作業は前日に済ませたようで、
この日はお1人で黙々と作業。
まず、鍵盤の高さを揃える調整。
一見すると全ての鍵盤の高さが
揃っているように見えていますが、
定規を使って僅かな高さの違いをみたり、
鍵盤に指を這わせ、スーっと横移動した時の、
ほんのちょっとの違和感に対応していくという
実に細やかな作業。
鍵盤の真ん中あたり(見えている部分の奥)
にあるバランスキーピンに、
パンチングペーパーという薄い紙を挟んで
1つ1つ鍵盤の高さを揃えていきます。
薄いものだと紙1枚0.03ミリという世界!
この1枚で弾き心地が変わるんです。
もちろん、鍵盤を押した(沈めた)時の
高さも全部、調整して揃えます。

そして、ハンマーファイリング。
「もうこれ以上はムリ。限界…」と
言われている作業です。(涙)
弦溝の跡がガッチリついてしまい
硬くなったハンマーのフェルトを削って
ほぼまっさらな状態にしてもらいました。
教室のピアノはもう削れる余地がないので、
このハンマーでのファイリングも
今回が最後でしょう。(T_T)

≪3日目(3月14日)≫

そして、最終日。
ファイリング後のハンマーフェルトの
弦への接し方(=あたり)の微調整。
削ればそれでOKというものでもなく、
ハンマーの先端部分が
3本の弦に対し同時に接するように
動作を確認しながら、
1つ1つ丁寧に調整していく必要があるんです。
(※中~高音域は1音に対して弦は3本です)

…とまぁ、3日間の工程はこんな感じでした。

さすがに今回は、
終了が23時を過ぎることはなかったですが、
それでも連日、10時~20時過ぎまでの
作業となりました。
本当にお世話になりました~。

===================

余談ですが、
初日のセンターピンを交換する作業が
これまた細かくて説明を聞いてビックリ!

人間の「前腕部分」と「上腕部分」のように、
ハンマーアクションにも、
「パーツが動くように結合されている箇所」
があります。その結合部は、
まさに肘(関節)のような役割をしており、
そこがスムーズでなくなると、
アクション自体に不具合が出て
「鍵盤が動かない」とか「戻りが悪い」
なんてことになるんですね。

その関節=結合部に使われているのが
この「センターピン」と呼ばれるもの。
長さ1センチ程度の針のようなピンで
その太さが直径約1.2~1.5ミリ程度。
1ミリですよ!1ミリ!((((゚Д゚;)))!
それを部品の穴に差し込むことで、
そこが軸となり、部品を結合させながらも
クルクルと回転運動ができているのです。

作業としては、
既に差し込まれてある古いピンを
押し出してから慎重に抜き取り、
サイズの合った新しいピンを差し込み、
動き(摩擦の具合)を確認・微調整し、
はみ出た部分を切り落とす。
とまぁ、こんな感じ。

単純な作業と言えばそうでしょうが、
88個の鍵盤全て行なうことと、
小さなパーツを扱うその細かさ、
その感覚の繊細さを考えたら、
もう~頭クラクラしました。
…というのも、
穴のサイズには僅かな誤差があるので
88個それぞれ合うサイズが異なるのです!
ピンのサイズは0.025ミリ(!)の単位で
全部で13種類あるんだそうで、
その中から合うものを選ぶとのこと。
どうかすると、0.025ミリという単位でも
しっくりいかないこともあるらしく、
その際は穴の内側のクロスを
棒状の細いやすりで微調整するんだとか。
ひぃーーーーーーーーー!!
細かすぎる!((+_+))

「感覚でわかるし、さほど大変じゃない」
というような事をおっしゃっていたけれど、
経験を積んでいるからこそ、の
セリフなんだろうなぁ~。
いやぁ、修理の現場は驚きの連続です。

説明を聞けば聞くほど奥が深く、
そして自分の無知さ具合がよくわかります。
長年にわたりピアノを弾いてきた人でも、
ピアノの中身(構造)に関しては
知らない&わからないことだらけ。
お恥ずかしい限りです。

今回の大がかりな修理(作業の様子)を
近くで見ることができたのは私にとって、
と~っても勉強になる出来事でした。
「余計な力や無駄な動きをなくす」や
「良い音で演奏する」は、
ピアノを弾くうえで大切なことですが、
そのためにも、ピアノそのものの構造や
アクション、各パーツの役割、などなど
「知っているに越したことはない!」と
強く思いました。
もっと色々な角度から勉強し、
知識を深めていかなくちゃいけませんね。

==================

さて。
これでピアノの内部(アクション関係)の
修理そのものはすべて終了しました!
…とはいえ、
削られたハンマーは現段階では調整のみで
整音などは施されていない状態です。
音そのものは、まだキツイ感じもしますし、
シャリシャリした感じの音もありますが、
もう少しの間、辛抱してくださいませ。

今の状態のまま、
あと1ヶ月強、ピアノを使い続け(弾き続け)、
今回、修理したり調整した箇所の状態が
落ち着いたところで最終チェック。
改めて調律・整音を行なって頂く予定です。
依頼した修理のすべての作業は
それで終了することとなります。(4/25予定)

で、で、で!!
アクションに関する諸々の修理が終わり、
ガッツリと真剣に自分の練習をしてみて、の
肝心の弾き心地の感想ですが…

ぉぉおおおお~~~~~♪
素晴らしく弾きやすい~~~~~♪
ヽ(゚∀゚)ノ
もう~、とにかく弾き心地に関しては、
大大大満足です!!!

連打やトリルがしやすい!
音がスッと鳴る!
反応が良い!
繊細なpp音を奏でようと思った時にも
ちゃんと自分の想像した通りの音が鳴る!
指を離した後の落下音(カタッという音)が
驚くほどに減った!ホントに減った!
ソフトペダル使用した時の
音の急激な変化がなくなった!
ダンパーペダルの遊びが減って、
以前より扱いやすくなった!
などなど。

生まれ変わったピアノの弾き心地を
皆さんもレッスンで堪能してくださいね。

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