音楽理論は演奏に必要か?2024/03/10

本日の内容は、
趣味でピアノ弾く大人の学習者で、
(導入期や初心者さんを除く)
初・中級以上の
それなりの楽曲が弾ける方
に向けての内容です。

≪ 重要 ≫

ピアノは、知識だけを深めても
決して弾けるようにはなりません。
私は、頭でっかちになることを
まったく「良し」とは思っていません。
「理論を知ること(知識)」と
「ピアノを弾くこと(技術)」は
同じくらいに大切なこと。

どちらもバランス良く学びましょう!!


***

『心を揺さぶられる魅力的な演奏』
というものが存在する。
…そう感じている人は多いと思う。

例えば、数名の人が、
同じ曲を、同じ譜面を使って、
ノーミスで弾いたとしよう。
果たして同じ演奏になるだろうか?
聴き手が受ける印象は一緒だろうか?
きっと演奏者によって、
音色の豊かさや表現の幅、
フレーズの流れの心地良さなど、
仕上がりがまったく違うものになる、
ということは想像できるだろう。

≪楽譜に記されていること、を
見えるままにそのまま正しく弾く≫

これは、
クラシックの楽曲をピアノで弾く上で、
当たり前のことであり基本なんだけど、
これ「だけ」をやっている人、と、
それ以上のことをやっている人、では、
音楽の奥行きや深みに差が出る。
これは、当然のこと。

豊かな音楽表現を目指すには、
「楽譜を読む」だけでなく、
「楽譜を読み解く」必要があるのだ。
楽譜に書いていないことまで読み取り、
それを演奏に反映すること。
これが表現力のUPに繋がるってわけ。
(※読み取ったものを
実際の演奏に反映するためには、
当然テクニックを磨く必があります!)

その「読み解く」手掛かりとして、
音楽理論が役に立つ。

音楽的な感性が鋭い人は
理論的なことをまったく知らなくても、
「ここはこんな雰囲気でこう弾きたい」
「ここはこんな音が似合う」
なんて具合に、演奏のイメージが
どんどん膨らむものだけれど、
皆がそうとは限らない。

だから、私は、
レッスンの最中にたびたび、
和音の種類や和声、コード進行、
調性に関することや度数など、
いわゆる音楽理論に関する
”お勉強的なこと”を伝える。

「明るく始まった曲だけど、
ここから平行調で暗くなってるね」とか、
「減7の和音が続いて緊張が高まるから、
少しずつcresc.してみようか」とか、
「ここはⅤからⅥmの偽終止だから、
気持ちはまだ繋いでおいて」とか…。

「楽譜をただ読んで曲を弾く」には、
これらの知識は特に必要ないし、
知らずに曲を弾くことは、
まぁ、可能だろう。
ピアノを達者に弾きこなす人でも、
その曲の中身を読み解いたり、
楽曲分析などは一切せずに、
難曲を立派に演奏をしている人は
世の中に、た~~~~くさんいる。
趣味で弾いている人の多くは、そうだ。
(と言いきっても過言ではないと思う)

でもこれ、私に言わすと、
何ともちょっと滑稽で…。
誰かが「異国の言語」で書いてくれた
小難しい内容の論文のようなものを
丸ごと練習して覚えて、綺麗な発音で
時に絶妙な間合いを取りながら、
流暢にスピーチしている感じ
…に、思える。

確かにスゴイよ、すごい。
でも、
自分の発するその単語、理解している?
その言い回し、自分の言葉で説明できる?
なぜその結論になるのか、納得してる?
つまり内容を要約すると…?

こんなことを感じてしまう。
なんだか薄っぺらいなぁ、と。
いじわる…かな?(汗)

でもね、
何となく表面的に美しく仕上げて、
流暢に喋る(弾いている)よりも、
意味や内容を理解したうえで
想いを伝えようと
喋っている(弾いている)ほうが、
心に響くし、説得力が増す!!

そんな風に私は思うんだけど…。
皆はどうだろう?

私が、「ここの和音の流れは…」
なんて説明し始めた時、
「理論ってよくわかんないし、
曲を弾くのに、それ、必要ある?」
そんな風に思っている人、
いるんじゃなかろうか。(笑)

音楽理論がわからなくても
楽譜が読めれば曲は弾ける。
しかし、理論を手掛かりに、
楽譜に書いていないことまで
読み解く力をつければ、
もっと奥深いところで音楽を理解し、
イメージすることができるようになる。
更に、そのイメージに合わせて
音を操ることで、それが
『心を揺さぶる魅力的な演奏』
へと繋がっていく…。

***

さて。
この記事のタイトル
「音楽理論、演奏に必要?」
これに、アナタなら何と答える?

この記事を読んで、少しでも
音楽理論に興味を持ってもらえたら
嬉しいです。(´ー`)

「からだ」の視点から(その2)2024/02/27

続きの記事です。

<3>身体を意識する

部分練習をしてミスもかなり減った!
音を聴く余裕も増えてきたぞ!…と、
ここまできたら、いよいよ最終段階。
いわゆる「曲想」をつけていきます。

曲想とは何でしょう?
その曲の持つ雰囲気、物語性、
その曲に込められた想い、
っとまぁ、こんな感じでしょうか。
描きあがった絵に色を塗っていく段階、
と言えば雰囲気は伝わるかな?
「幸せ」というタイトルなのに、
黒で塗りつぶすことはないでしょうし、
「絶望」というタイトルなのに、
パステルカラーでカラフルに塗るのも、
きっとイメージとは違いますよね。

ピアノ演奏で具体的に言うと、
例えば、
「 f と書いてあるから大きく弾く!」
ではなく、どんなイメージの強さ?
鋭い?力強い?おおらか?
他の部分の「f」と同じ音量で良い?
そもそも、なぜ、
ここの部分に「f」の指示があるんだろう?
など、楽譜から曲を掘り下げて読み解き、
そこから感じ取った(読み取った)
イメージや想いを音に乗せて、
自分なりに演奏で
それを表現していく作業。
これが「曲想をつける」とうことです。

自分が求める理想の音色、音量、
イメージに合ったフレーズの繋がり、
間合い、緩急の移り変わり、などなど、
これらを繊細に演奏で表現することは
とても難しいことです。

よく「気持ちを込めましょう」といった
アドバイスを見かけますが、
「気持ち」で何とかなるものではありません。
実際には、気持ちを込めることで、
それまでとは違った身体の動きが誘発され、
(打鍵スピード、呼吸、力みなどが変化し)
結果、理想の音に近づいたり
フレーズの雰囲気が変わったりする、
ということなんですね。
「気持ち」によるせっかくの嬉しい変化も
再現性がなければ、偶然にすぎません。

まず、今、自分が出している音は、
自分の身体をどう動かして出しているのか?
を、細かく知る必要があります。
その上で、どうやったら
(=どのように身体を使ったら)
理想の音に近づけるのか?
イメージ通りの音が出せた時、
身体はどう使えていたのか?を深く考え、
実践していく必要があるんですね。

また、この段階になっても
つかえたり、ミスタッチが出ている場合、
何か身体の使い方に不自然な点があり、
改善点があることが多いです。

理想的な音楽にならない時、や、
いつまでもミスが残る時、は、
指番号の見直し、指先の向き、
指の傾き、鍵盤に置く位置、手首の動き、
肘や肩の使い方、身体の重心の意識、など
「身体」を意識し、見直してみましょう。
自分が欲しい音が出せたり、
思い描く演奏が可能になることは
とても多いですよ!

仕上げの段階では、
音に耳を傾けるのは当然ですが、
自分の身体の動きや
呼吸などにも意識を向けて、
練習をしてみましょう。

***

まとめ。

以上の<1><2><3>の3段階を、
普段(平常時)のレッスン内容で考えると、
こんな感じの割合になることが多いです。

初心者
とにかく、まず<1>。<2>を目指そう!
初級者
<1~2>メイン。<3>も頑張りたいところ。
中級者
<1>は自力で。レッスンは<2~3>メイン。
上級者
<1~2>自力で。<3>を深く掘り下げ。

…ですが、
交流会では少し事情が異なります。
「人様の耳に演奏をお届けする」
という観点から
どの方も<3>を視野に入れて、
「音を鳴らす」「弾ける」に留まらず、
「音楽を奏でる」を目指していただきたい!

ちなみに。
この3段階はピラミッドのような
三角の関係になっています。
<1>の土台なくして<2>はないし、
<1><2>なくして<3>はないです。
つまり、最初は皆、
「譜読み=譜を読んで弾く」が
根底にはあったはず。
それが、いつの間にか
「譜面は覚えてる」「暗譜で弾けます」
となっていくんですね。
一見、順調そうに見える発言ですが、
これ、正確には、
「楽譜を見たら弾けない」
「ここから、と指定されたら弾けない」
「丸覚えして手元を見ている」
なんて状態だったりするんです~。
思い当たる方、多いのでは??

こうなると、
<3>の段階を目指しても、
三角のバランスはグラグラで、
交流会ともなると、
レッスンと異なる環境+緊張で、
恐怖の「総崩れ」が起きかねません。
ヒィ-!(;´Д`)

しっかりとした土台の上に、
磨きのかかった美しい音を乗せ、
豊かな表現を目指して、
新曲に取り組んでいきましょう。
さぁ、練習、練習~。
私もレッスンに向けて、
皆さんの曲、大急ぎで頑張ります!!

「からだ」の視点から(その1)2024/02/16

交流会に向けて新曲ラッシュです。
今年も、「レベル、高ッ!曲、長ッ!
私、コレやったことないぞ~(汗)」
という多種多様な選曲なので、
「こ…これは、レッスンに合わせて
私も練習しておかねば…(゚Д゚;)」
ヒィー!と悲鳴を上げつつ、
ニヤニヤしながら皆さんの曲を
せっせと楽しく練習しています。
…マゾか?(笑)

そんなわけで、今日は、
新たな曲に取り組み始めてから、
曲を仕上げるまでの
レッスン/練習での道筋を、
「からだ」の視点から
ザックリ大きく3段階に分けて、
改めて説明しておきますね。
(長くなるので記事を2回に分けます)

***

<1>脳に働いてもらう

新しい曲に入ってまずすること。
そう、譜読みです。この段階では、
まずドレミを把握して、リズムを読んで、
弾きながら指使いを気にして…
と、こんな感じに同時に色々なことに
気を配る必要があります。
必死に譜面を追って、
脳みそフル回転!!で、
「音」を組み立てている状態です。

得意/苦手があったとしても、
片手ずつ始める初心者だろうが、
いきなり両手の上級者だろうが、
この「譜読み作業」はみんなが通る道。
とても神経を使うし、集中力も必要だし、
複雑で高度な脳の処理能力が必要。
だから譜読みってかなり疲れるし、
逆に、色々あって疲れている日は、
練習が捗らなかったりしますね。

脳みそに負担をかけすぎると、
練習効率も悪くなりますし、
目が疲れたり、肩が凝ったりして、
ひどい時には頭痛を引き起こすことも…。
休憩を挟みながら取り組む!
コレ、大事なポイントです。

この「譜読み作業」は、
絵を描く際の「下描き」みたいもので、
曲の基礎、土台となるもの。
テキトーに済ませていると、
後で手直しが必要になり苦労したり、
最終的に仕上がらなくなる恐れもあります。
「ま、こんな感じでしょ」
と、いい加減に進めてしまわず、
丁寧に読んでいくことが大切です。

<2>耳を使って音を聴く

「譜読み」が済み、
音楽が流れ始め形になってきたら、
強弱や緩急、スラーなどの記号、
他の音楽用語、曲のテンポなどに
気を配って弾けるようにしていきます。

「下描き」をより整えていき、
絵として形にしていく工程ですね。
この段階になると、
「わーい、弾けてきたかも~♪」と
思える箇所が増えてきますが、
それと同時に、手こずる箇所も
ハッキリしてくるかと思います。

指が馴染み、アレコレ考えずに
弾けるようになってきた箇所では、
脳みそに少し余裕が生まれてきます。
そうすると、和音の響き、旋律など
譜読み段階では聴こえなかった音が
徐々に聴こえるようになってきます。
鍵盤をおろせば「聞こえてくる」から、
意図的に「音を聴く」へ、
切り替えていきましょう。

この段階では、弾けば弾いただけ
指がどんどん馴染んでいくので、
楽譜に頼らなくなり、
弾けているような気分になり、
(↑覚え弾き/自動モードに注意!)
細やかな練習を怠りがち。

今一度、楽譜をしっかり見て、読んで、
 ・要求されている細かな指示を
 弾けるようにしていく練習
 ・スムーズに弾けない所の部分練習
などを心掛けましょう。
普段の自宅練習において、
弾けている/弾けていない、の判断は
自分自身に委ねられています。
音楽が一定に流れているか?
強弱・緩急が不自然じゃないか?
ペダルが濁っていないか?
など、正しい判断をするためにも、
「耳」を使って音をよ~く聴くこと。

***

次回は、いよいよ「曲想」です。
<3>は奥が深いですよ~。

弾く(指を動かす)ことで精一杯だと
曲想にまで辿り着けないことも多いので、
自分にとって難しすぎない曲を
選びたいものです。
…とはいっても、簡単なものだと、
飽きてきたり、物足りなく感じたり…。
「ちょっと難しいかも~(汗)」くらいが
一番上達する気がします。
選曲はとても大事ですね。

とにもかくにも、まずは<1>から。
練習は、「長時間」より「細切れ」に。
休憩を挟んで、頭を休めながら、
繰り返しおこなってくださいね。

続きの記事は、
近日中に更新予定です。
お待ちくださいませ~。(´ー`)ノ

『アヴェ・マリア』いろいろ2023/11/27

私は、小学校3年~中学卒業頃のまで
練馬区の合唱団に入っており、
中学に入ってからは
先生について声楽を習い始め、
そして音高~音大と進んだので、
舞台、イベント、授業、などで
これまで本当にたくさんの合唱曲や
歌曲、オペラのアリアなどを
歌ってきました。

そんな中、クリスマスが近づくと、
必ず思い出すのが、
数々の『アヴェ・マリア』の楽曲たち。
クリスマスシーズンになると、
演奏会などでよく歌ったものです。

『アヴェ・マリア』といったら
皆さんは誰の曲を思い浮かべますか?
やはり王道はシューベルトかな?
それとも切なさ全開のカッチーニ?
バッハの平均律第1番に旋律をのせた
グノーのアヴェ・マリアも有名ですね。

どの曲も、
美しい響き&旋律の曲ばかり。
ス~っと気持ちが落ち着くものが多く、
心が洗われるような気がします。
伴奏に合わせて
1人気持ち良さげに歌い上げる
独唱のスタイルも良いですが、
私個人的には、無伴奏、もしくは、
教会のオルガンなどの伴奏で
複数で歌う楽曲が大好き。(*´ω`*)
ハーモニーにどっぷりと浸かって聴く、
あの厳かな雰囲気がたまらないのです。

クリスマスまであと1ヶ月。
今日のブログでは、
私オススメの『アヴェ・マリア』を
いくつか紹介します。
皆さんにとって
あまり耳馴染みがなさそうなものを
あえて選んでみました。
「こんな音楽(歌)の世界があるんだ~」と
知っていただけたら嬉しいです。
眠る前のリラックスタイムのひと時に、
クリスマス気分を感じながら
ぜひ聴いてみてくださいね☆


どの曲もyoutubeで聴くことができます。
ブログに動画を埋め込む方法が
イマイチわからなかったため(汗)、
検索して聴いてくださいませ。
各曲、一段目(「・」以降の部分)を
コピーして検索すれば、
その曲に出会えるはずです。

『Ave Maria』

・Ave Maria グレゴリオ聖歌
 (作曲者不詳)
 最古のアヴェ・マリア。これぞ究極の単旋律!
 この頃は「ネウマ譜」に表記されていました。

・Ave Maria Josquin Des Prez
 (ジョスカン・デ・プレ作曲)
 とにかくひたすらに美しい。
 安らかで清らかな祈りの世界。

・Ave Maria Jacques Arcadelt
 (ジャック・アルカデルト作曲)
 この曲は知ってる人もいるかな?
 この中では割と有名な気がします。

・Ave Maria Francis Poulenc
 (フランシス・プーランク作曲)
 去年、私が交流会で弾いたプーランクも
 素敵なアヴェ・マリアを作曲しています。

・Ave Maria Franz Biebl
 (フランツ・ビーブル作曲)
 ≪VOCES8≫の演奏をぜひ聴いて!鳥肌モノ!
 惹き込まれて天国へ行ってしまいそう。(笑)

本気でピアノで遊んでます!2023/10/31

少し前になりますが、
録音用の機材を新調しました。
わーい、わーい。ヽ(゚∀゚)ノ

これまで、
自分の演奏を客観的に振り返り
練習に役立てる際や、
「なるべく良い演奏を残しておこう!」と
自分なりの完成形になった時点で、
たびたび録音をおこなっていましたが、
その方法に至っては、
極めてテキトー。無頓着。(笑)
自分が弾いている椅子の横に
スマホ(iphone)を置いて、
ボイスメモアプリを開いて、
録音の赤ボタンをポチっとな、
…というスタイルだったのです。

当然、音は割れまくり。
ビチャーーン!!っとした感じの音。
もちろん、これで満足していた
わけではありませんが、
ピアノ横にスタンド建てて、
マイクを屋根脇から差し込んで、
それをミキサーに繫いで、
更にPCとも繋いで…なんて考えたら、
良い音になるのはわかるけど、
大掛かりでちょっと大変。
予算的にも大変。

というわけで、これまで通り
iphoneのボイスメモを使いつつ、
もう少し音質を良くするために
何とかならないものか?と
検討した結果、スマホに繫いで
外部マイクとしても使える
『TASCAM DR-07x』を購入。
(※生産終了しているようです)

さぁ、これで、もう少しマトモな音で、
演奏を残しておけるぞ~!と
やる気もUP↑↑
ただいま、マイクをどの位置に置くか、
入力レベルをいくつにするか、
リバーブをどの程度かけるか、など、
少しずつ設定を変えながら
何度もテスト録音を繰り返しつつ、
遊んでいる(?)最中です。

***

しかし、まぁ、遊びとはいえ、
「録音をする」って、
やっぱりものすごい練習になる!!!
改めて実感しています。

だって、いざ録音!ってなったら、
やっぱり最後までミスはしたくないし、
音色、音のバランスにはこだわりたい。
だけど、伸びやかに気持ちよく弾きたい。
そして、ピアノの音以外の
雑音はなるべく入れたくない。
そうなると、めちゃめちゃ難しい。(笑)
ものすごい集中して演奏することになる。

普段、弾けているようで、
うまいこと誤魔化せていた箇所なんて、
途端にミス連発。(;´Д`)
これって「弾きこなせている」ではなく、
「弾けることがある」な状態。
これじゃ~良い演奏は残せない。
何も考えずに弾けていた所ですら、
「あれ?この指で弾いてたっけ?」
なんて、ふと気なったら、
次の瞬間に妙に音質が固くなったり、
音楽の流れがよどんだり…。
極めつけは、
ほぼ無音のとても静か&繊細な箇所で、
丁寧に弾くために身体を動かしたら
その体重移動で椅子が

ギィ…ギシ…。

あうぅ~~~~~(T_T)がっかり。
ここまで良い感じで弾けていたのに~。
あと、数小節で終わりだったのに~。
なんてことも。(苦笑)

たとえ間違えずに最後まで弾き切っても、
「ノーミス=良い演奏」とは限らないので、
やはり自分自身が納得のいく演奏って
そうはできないものです。
人前での演奏が決まっている楽曲なら、
普段から本気の練習をしているので、
完成度が高い状態での録音となりますが、
「よし、弾けるようになったから録ってみよう」
というレベルだと、
まだまだ練習が甘い!!と痛感。

***

そんなわけで、最近は時間を見つけて、
チマチマと録音して遊んでいます。
「遊び」と言いながらも、
練習を伴うかなり本気の遊び。

大人が夢中&真剣になって、
本気で遊ぶことができるって
幸せなことです。
そして、その遊びが練習を兼ねて、
少しずつ自分の実力になっていく。
ムフ(*´m`*) 良いことだらけ。

自分の作曲したピアノ楽曲を
これまでは譜面に残しているだけでしたが、
今後は自らの演奏音源とともに、
楽譜とセットで残せたら良いなぁ~。
夢が膨らみます♪

皆さんも、曲が仕上がってきたら
「遊び」のつもりで録音をしてみましょう。
録音をすることで、
自分の演奏を客観的に聴けますし、
そこから学べることは本当に多いです。
そして、良い状態の演奏が録れて、
音源として形に残せた時には、
『自分の記録』にもなりますし、
「ここまで弾けるようになったんだ!」と、
これまでを振り返って感動したり、
その音源が、宝物のように
思えることもありますよ。


本気のピアノ遊び、
オススメします。

五線にペンを走らせよう2023/09/07

突然ですが、質問!
皆さんがピアノの練習で楽譜を広げた際、
よく目にする「音符」。

あのオタマジャクシの棒は
玉の右についていますか?左ですか?
棒はどこを境に、上に付くか下に付くか、
知っていますか?
玉の横につく符点は線の上?下?
それとも線と重なる?

練習のたび目にしていて、更に、
それを正しく弾けているにもかかわらず、
案外、書けないものです。
今日はそんなお話し。

***

交流会の冊子の「ごあいさつ」でも
少し触れましたが、
私は小さい頃から作曲が趣味です。
幼稚園時代に感性の赴くままに作った
めちゃくちゃな作品にはじまり、
今現在も自由気ままにピアノ曲を書き続け、
今日に至っています。

私の場合、ピアノを前にして、
とにかく思いつくままに
曲を作っていくわけですが、
適当に弾きながら勢いで作り始め、
その場でそれを練っていくので、
考えついた旋律や浮かんだ音などに、
「お!イイねー♪」と思っても
次の瞬間には忘れちゃったり、
再現できなくなることも少なくありません。
すべてを覚えていられないので、
作曲をしながら、同時に五線ノートに
書き記していく必要があるわけです。

子供時代、
五線にオタマジャクシを書くこと自体は
聴音のレッスンでやっていたので、
簡単な譜面ならすぐに書けましたが、
自分の頭に思い浮かび両手から流れ出た
”生まれたての音楽”を
いざ譜面に起こすとなると、
いやぁ~、これがムズい。(苦笑)
ホント難しいんですよ。
だから、子供の頃は、
自分の脳内で鳴っている完成した音楽と
譜面上の表記がイマイチ一致せず、
それを解決できずに悶々としたり、
たびたび納得のいかない
気持ち悪さを感じていました。

あれから40年。
チマチマと作曲やアレンジをし続け、
その都度、譜面を書き続けた私。
今となっては、よほど複雑な曲でなければ、
ササっと書き記せるようになり、
随分と譜面に「慣れた」と思います。
譜面を「見るもの」として捉え、
「弾くこと」しかしてこなかった人よりも、
「書く」ことで譜を読む力は底上げされ、
更に、成り立ちなどを深く理解し、
多方面から音楽を捉える力がついた、
とも感じています。

***

読書なども目で追ってただ読むよりも、
声に出すと内容が頭に入りやすく、
書き写すと深く理解できる、
なんていいますよね。
「写経」もそれと似ているのかな?

普段、目にしている何かを
絵に描いてみるのも同じ。
そのものの成り立ちや配置など、
普段は当たり前に見ていて、
気づけなかった点を
改めて知ることに繋がります。

楽譜を見ること(読むこと)、は、
いわゆるインプット。
それを弾くこと(奏でる)、が
音楽における一般的な
アウトプットと言えますが、
「書く」というアウトプットは、
演奏に直接的にかかわらないため、
あまり重要視されていません。

でも、譜面を書くことで
楽譜の見え方が変わったり、
音楽の理解が深まったり、
読むスピードが速くなったり、
音やリズムが脳内に定着したり…
というメリットがあるんです。

何も「作曲して譜面に起こしてみろ!」
などと言っているわけではありません。
ご安心を~。(´ー`)
今弾いている曲から
たった数小節でOKです、
そのまま書き写してみませんか?
ト音記号にはじまり、
棒の向き、#♭などの記号、
二分休符と四部休符の位置の違い、
小節内のスペースの配分、などなど
書き写してみることで、
きっと新鮮に思えてくるはずですよ。

メロディーを口ずさみながら
五線にペンを走らせる。
ん~♪なんだか音楽家~!(*´ω`*)
って感じがしてきませんか?(笑)
秋の夜長、
トライしてみてくださいね。

『待ちきれない現象』2023/06/01

うぅー、待ちきれない!!
何がって、交流会…ではなくて(笑)、
 ・フレーズをしっかり弾き切ること
 ・メロディーを最後まで歌いきること
 ・リズムの支えなく音を長く伸ばすこと
です。これ、よくあること。
イメージがわかない人のために
もうちょっと具体的に説明すると。

♪咲いた~、咲いた~、
 チューリップーの花が~、

と、なるべきメロディーが

♪咲いた咲いた、
チューリップーの花が、

となる感じです。
咲いた「~」と伸ばすはずなのに、
待ちきれず(伸ばしきれず)に、
次のフレーズを始めてしまい、
拍が詰まってしまう現象。

正しく譜読みをして、理解して、
リズムや拍も間違わずに
弾けるようになっているにもかかわらず、
この『待ちきれない現象』は
たびたび起きているんです。
もちろん、程度の差はあります。
上記の『チューリップ』ほど
ひどくはないし拍も詰まっていません。
弾いている本人が、
拍そのものはしっかりと数えていて
一応、その数も正しかったりします。

本人としては数えているし、
そんなはずはない、と
”無自覚”だったりするので厄介。
だけど、私が聴くと、
「うぅ、待ちきれてない~!
拍が詰まってるし、気持ち悪い~!」
っと感じることがしばしば。

この現象の何がダメって、
・焦っているような印象を与える
・幼稚な演奏に聴こえる
・余裕や落ち着きがなく思える
・歌心が乏しく音楽的に聴こえない
と、聴き手に感じさせてしまうところ。
間違えずに弾けているのに、
なんと勿体ないことか!

フレーズを弾き終えていないうちに
つい次のフレーズのことを考えてしまい、
最後の音がほんの少し短くなったり、
メロディーを雑に切り上げていたり、
呼吸を整えずに(ブレスせずに)
唐突に次のフレーズを
弾き始めたりしていませんか?

「正しい演奏が心地良い演奏とは限らない」
これ、私がレッスンでたびたび言うセリフ。
耳にしたことある人も多いでしょう。
そもそも拍を数え間違えていたら
これはもう音楽としてダメですが、
メトロノーム通りに正しかったとしても、
それが心地良いかどうか、は
別なんですね。

曲を仕上げる段階になったら、
『曲の流れ』や『歌心』を大切にして、
メロディーやフレーズの区切りを
一層、丁寧に扱いましょう。
指先のことばかりに捉われず、
音楽の流れに合わせて、
間合いを取ったり、
ブレス(息継ぎ)を意識しましょう。

先程も書きましたが
『待ちきれない現象』は
無自覚に発生していることも多いです。
それを知るには…
≪自分の演奏を録音して聴く≫
↑これに限ります!
仕上げの段階になったら
ぜひ録音してみてくださいね。
そして、その音楽(自分の演奏)を、
聴き手になったつもりで、
なるべく客観的に
ゆったりとした気分で聴いてみましょう。
『待ちきれない現象』をはじめ
様々なことに気づけるかと思います。

さぁ、交流会まであと少し。
皆さんの演奏する曲が
素敵な仕上がりになりますように♪

~オマケ~

交流会の事前説明(当日の流れなど)
を個別にする予定です。
レッスン時に5分程度お時間をください。
宜しくお願いいたします。