ピアノの先生と「コード」2021/11/29

「先生は、いつ、どんなキッカケで
コードを勉強し始めたんですか?」

先日、生徒さんから
こんな感じの質問を受けたので、
今回はその辺りのことを
書いてみようと思います。
(2回に分けて更新します)
1回目の今日は
≪ピアノの先生と「コード」≫です。

***

コードに関する質問といえば、他にも
「ピアノの先生ってどの人もみんな、
コードを理解しているの?」
「どの先生もコードを教えられる?」
「音大の授業でコードって習うの?」
…など、聞かれることがあります。

これ、答えは「NO」です。

もちろん、
理解していて弾ける方もいます。
授業で「コード」を扱ったりもします。
ですが、クラシックでピアノを専門に
勉強してきた先生に限って言うならば
「コードはよくわからない、弾けない」
という人が、案外多いのも事実です。

というのも、
例えば、音大か専門学校か、で、
学べるカリキュラムが違うからです。
クラシック音楽を中心に学ぶのか、
ポピュラーやジャズを学ぶのか、など。
更に、専攻や選択コースによっても
勉強する内容は変わります。

クラシックの楽曲を
「演奏すること」が学びの軸となる
音楽大学のピアノ科。
和音(コード)の成り立ちについては
基本的なことを習う程度です。
それに対し、
ジャズピアノを学んだ人であれば、
「ジャズを演奏すること」以前に
まずコードを知る必要があるので、
当然、わかっているはずです。
あと、作曲を専攻している人も
音楽の成り立ち(骨組み)となる
「和声学」をしっかりと学ぶので、
もちろんコードはわかるでしょうね。

※超シンプルに説明すると、
「コード理論(コード/コード進行)」は
「和声学」から派生したものです

つまり、
達者にピアノが弾ける先生だとしても、
「譜面をその通りに弾くこと」しか
してこなかった人だと、
「コードはよくわからない」と
なったりするワケです。
学生時代に「和声学」の基礎程度は
授業で習っているはずなので、
それをコードに置き換えて考えれば、
理解できるはずなんですけどね。
(例えば、和声学で習う『属七和音』は
『ドミナントセブンスコード』というように)

「クラシックの楽曲を演奏し、
その演奏技術を磨いていくこと」を、
学びの目的としていた場合、
レッスン曲以外の楽曲を
(特にクラシック以外のジャンルなど)
遊びで弾く機会は減るでしょうし、
洒落た響きだからといって
その和音の成り立ちを分析したり、
それを真似て曲を作ってみる、
などといったことが
”無駄な時間”に思えてしまうのも
無理はないのかもしれません。

・曲を弾く上で必要性を感じていない
・和声学の基礎をよく理解していない
・和声学をすっかり忘れてしまっている
・「和声」を「コード/コード進行」として
 変換して考えたことがない
・理解していても実践にいかせない
(どんな風に弾けば良いのかわからない)

これは、日々ピアノに向かい、
レッスン曲を真面目に練習し、
「演奏だけ」を軸に勉強してきた
ピアノの先生”あるある”な気がします。

さて。
私自身を振り返ってみると、
「真面目」とは程遠く…。

≪不真面目&遊び弾き≫

↑この言葉に尽きます。(笑)

ということで、続きは次回!
私がコードをいつ頃から意識し、そして、
コードをどのように勉強してきたのか、
を書こうと思っています。

***

今回のまとめ。

一般的なピアノの先生は、
クラシック音楽を中心に学び、
演奏技術を向上させるために
子供の頃から練習に練習を重ね
真面目にピアノと向き合ってきています。
譜面に書かれたピアノ曲であれば
素晴らしい演奏をされることでしょう。

…が、「コード」となると話は別。

コードに関しては、
ジャズ系、ポピュラー系の先生、
(それらを勉強したことのある先生)
或いは、作曲系の先生のほうが
確実に理解されているかと思います。

***

続きの記事、≪私と「コード」≫は
もうしばらくお待ちあれ。(´▽`)ノ