教室の門を叩く前に2014/07/17

ピアノを始めよう!ピアノを習おう!

…と思ったら、教室の門を叩く前に
ちょっと考えてみてほしいことがあります。
「どんな曲をどんな風に弾きたいの?」
ということ。

◇正統派クラシックのレッスンを希望し、
 原曲で弾けるようになりたいのか?
◇基本的にクラシックが弾きたいけど、
 堅苦しく考えずに進めていきたいのか?
◇両手が書いてある楽譜(2段譜)を使って
 映画音楽やポピュラー音楽が弾きたいのか?
◇コード奏法(1段譜)を学びながら、
 ポップスを中心に弾き語りなどをしたいのか?
 それとも、ジャズを弾きこなしたいのか?
◇1段譜を使わず2段譜でジャズナンバーが
 弾ければそれでOKなのか?

「ピアノを弾く」「ピアノを楽しむ」と言っても、
そのスタイルは実にさまざま。…とはいえ、
「違いなんて、よくわからない」
という初心者さんもいるかと思います。
また、
「クラシックならまぁまぁ弾けるから、
習えばすぐにジャズも弾けるよね!」
と、簡単に考えている方もいたりします。

ということで、これだけは知っておこう!
「2段譜で弾くピアノ」と「1段譜で弾くピアノ」
の違いについて。
大きな違いのあるこの2つについて
今日は書いてみようと思います。
(※代表的なジャンルで説明しますね)
___________________

両手の音がきっちり書いてある楽譜
(=2段譜)で、曲を奏でるクラシックは、
目指す”ゴール”が決まっています。
作曲家が作った「美しく完璧な作品」を
再現することがゴールです!
「組立て説明書(=楽譜)」にそって、
手順通りに正しく組立てていけば、
その「作品」を再現することができますよ、
というものです。
もちろん技術や表現力が未熟な場合は、
その完成度は低いものとなりますが、
「説明書」通りに正しく弾けるよう
ひたすら練習を重ねることによって
本来の「作品」により近づくことができます。
楽譜に忠実に従い弾き進めること。
これが基本となるので、
音楽の自由度は低いと言えるでしょう。
*ポイント*
『予め用意された美しい(カッコイイ)音楽を
奏でることに喜びを感じる人』におすすめ

これに対して、
コード奏法でジャズなどを弾く場合。
”ゴール”は特に決まっていません。
自分の実力=(現段階での)ゴール、です。
皆さんの手元にある1段譜(=コード譜)は
「組立説明書」ではなく「ルールブック」で、そこには、
この曲を作品にするにはこのルールで作ってね、
と書いてあるわけです。
単純な旋律、コード、進行…
この程度しかルールは提示されていません。
なので、1段譜でピアノを弾きこなすには、
まず、コードの構成音などを勉強&理解して、
それを操れるようにならないとダメなんですね。
例えば、G7というコード1つをとってみても、
単純でわかりやすい響きで弾くことも、
複雑にしてカッコイイ響きにすることもできます。
つまり、初心者も上級者も(レベルに関係なく)
同じ曲目を弾くことが可能です。…が、
実力がそのまま曲の出来映えに繋がるので、
仕上がりは両者で全く異なるものになります。
幼稚な仕上がりも、渋くカッコイイ仕上がりも、
ゴールは「アナタの腕次第」ということです。
コードの理解し弾きこなせるようになれば、
音楽的な自由度は無限大と言えます。
*ポイント*
『理屈を知ってサウンド自体を自分自身で
作り上げることに喜びを感じる人』におすすめ
___________________

お分かり頂けたでしょうか?
どちらも「ピアノで曲を弾く」と言いますが、
曲を完成させるまでのプロセスや
意味合いが全く違うんです。
あ。
どらが良い悪い、すごいすごくない、
とかではありませんよ。(笑)
自分がやりたいレッスンのスタイルを
ある程度は把握しておかないと
希望に適した教室は探せないので
違いを知っておきましょう、ということです。

ここで、ありがちなケースを1つご紹介。

子供時代にピアノを習っていたAさん。
お洒落なジャズっぽい音が好きだから、
大人になった今、そんな雰囲気の曲を
ピアノで弾いてみたいなぁ~♪
…と思い、ピアノ教室を探し、
「ジャズピアノ習いたいんです!」と言って、
ジャズピアノ教室の門を叩いた場合、
少々厄介なことになっちゃうんです。(汗)
ジャズピアノと言えば通常は1段譜を使用し、
基礎となるコードやスケールを
理解し勉強するところから始まります。
習い始める前に思い描いていた
「ジャズっぽい雰囲気」はどこへやら、
毎回、本物の「ジャズピアノ」のレッスンが
Aさんを待っていることでしょう。
そこまでのことを希望していなかったAさんは
レッスンの内容に困惑し、「む、無理かも…」
と挫折感を感じてしまうかもしれません。

問題はどこにあったのか?
この場合、Aさんが希望していたのは、
ジャズと言っても「本物のジャズ」
ではないので(変な言い方ですが)
譜面に書いてある通りに両手で弾けば
ジャズに聴こえる2段譜を使っての
レッスンが適していた、ということなんですね。

逆のケースももちろん考えられます。
曲をお洒落なサウンドにアレンジしたり、
ジャズを弾きこなせるようになりたい!
という人が、
「1段譜でのコード奏法」を教えていない
クラシック中心の教室の門を叩いた場合も、
同じようなミスマッチが起こってしまいます。

「あれ?なんか違う…」とならないように、
これからピアノを始めよう!習おう!
と思っている方は、自分が「どんな曲」を
「どんな風に弾けるようになりたいか」
まずはじっくり考えてみて下さいね。
そして、希望に適した教室を選びましょう。
問い合わせや体験レッスンなどの際には、
その教室の先生に希望するスタイルを
なるべく具体的に伝えると良いですよ!(^ー^)

クラシックとコード奏法&ジャズピアノにおける、
レッスン内容の違いについて、
時々メールでご質問を頂くことがあるので、
今日はその2つの大きな違いについて
改めて記事にしてみました。

ピアノを始めようかなぁ~と思っている方々が、
ピッタリな教室と出会えますように♪

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