”調性の呪文”を唱えよう!2022/11/28

先日のブログ記事〈一問一答〉。
チラホラと反応があった中で、
「一度ブログでもお伝えしておこうかな?」
と思ったのが、調性の覚え方・見分け方。

新しい曲を始める際、私は必ず
「この曲は何調?」と確認するので
「調?調性?初めて聞く言葉だ」
という人は当教室にはいないはずですが、
「ハ長調しかわからない」
「#や♭がつくと何調なのかサッパリ…」
なんてことは、あるかもしれませんね。

今日はその辺りを掘り下げて
書いてみようと思います。

***

まず、基礎の基礎。
「音」って何個でしょう?
ピアノの鍵盤自体は88鍵ありますが、
音は12個です。
ドから次のドまで数えてみてください。
白鍵が7個、黒鍵が5個ありますよね。
(7+5=12音)

そして、「調性」を語る上で
切り離せないものに「音階」があります。
音が階段状に並んだアレです。
代表的なものが、皆さんご存知、
あの「ドレミファソラシド」ってやつ。
代表的な音階に、
「長音階」(明るく感じる)と
「短音階」(暗く感じる)があり、
上記の「ドレミファソラシド」は
長音階の中で最も有名なもの。
誰もが知っているその理由は、
この音階をピアノで弾くと、
#や♭が1個もつかず、
白い鍵盤だけで弾けちゃうから。
1番わかりやすいんです。(*´ω`*)

音階の1番目の音(上記の場合はド)が、
その曲において重要な機能を持つ
「主役の音」となるので、
これを「主音」といい、
調性はその主音の音名で表します。

ちなみに、「ド長調」という言い方はせず、
ドレミを日本語に変換して言うので、
この場合、「ハ長調」。
慣れないと、ちょっとややこしいですね。
(※ドレミファソラシ=ハニホヘトイロ)
(※当教室ではドイツ語の言い方、
 英語の言い方、でも対応可能です)

さて。
話しを戻しましょう。

音は12個あるので、それぞれの音が、
この「主音」になり得るわけです。
つまり、「ハ長調」のように
白い鍵盤だけでは弾ききれず、
#や♭をつけて黒鍵を使い、
曲を弾く必要がでてくるんですね。
譜面によって、
音部記号(ト音記号やへ音記号)の脇に
#や♭が書いてあるのはそのためです。

曲の中心となる重要な「主音」や、
その曲の軸となる「音階」を把握し、
譜読みをスムーズに進めるためにも、
楽譜を見た時に、
「何調か」見分ける必要があるのですが、
さぁ、これがなかなか厄介!
#や♭がズラリと並んでるけど何調なの?
12個もある調性をどう見分ければ良い?
何か覚えるコツとかヒントは無いの?
と、途方に暮れてしまう人が続出。(笑)
学生時代にチョロっと授業で習って、
「???」のまま、
今に至る人は多いと思います。

…ということで。

=================

一問一答より
<11>
Q. 調性の覚え方ってある?
A. 一般的には「トニイホロヘハ」。

=================

≪覚え方見&分け方・その1≫

『トニイホロヘハ』と呪文のように覚える。
とにかくコレ↑を丸覚えします。
(結局、丸覚えなのかーーーい!という
突っ込みが聞こえてきそうだ。笑)
これは、
音部記号の脇に#が1個ある時は、ト。
つまり、その調性は「ト長調」。
と考える覚え方。
 ※この方法で導き出せるのは「長調」

#が2個なら、ト・ニ、で「ニ長調」
#3個なら、ト・ニ・イ、で「イ長調」
#4個なら、ト・ニ・イ・ホ、で「ホ長調」
#5個なら、ト・ニ・イ・ホ・ロ、で「ロ長調」
#6個、ト・ニ・イ・ホ・ロ・ヘで「嬰へ長調」
#7個、ト・ニ・イ・ホ・ロ・ヘ・ハで「嬰ハ長調」
という具合です。

#6個・7個の時はちょこっと注意が必要。
ヘやハの音(=ファやド)には、
すでに調号の#が付いているので、
#を意味する日本語の
「嬰」(←エイと読む)を言う必要があります。
「シャープヘ長調」や「ハのシャープ長調」
のようには言わないので、
覚えておきましょう。
ちなみに、#は「嬰(エイ)」、
♭のことは、「変」(←ヘン)といいます。

さて、#系はこれで覚えられたとして、
♭系の調号がついている曲の時は
どう覚えればいいでしょう?

まず、先ほど覚えた「トニイホロヘハ」の
「ハ」だけを一旦ちょっと取り除きます。
(「トニイホロヘ」となる)
あとは右から順に言って、
最後に取り除いておいた「ハ」を足せばOK!
つまり、『ヘロホイニトハ』。
これで♭系の呪文は完成です。

#系と同じように、
♭1個なら、へ、で「ヘ長調」
♭2個なら、ヘ・ロ、だから「変ロ長調」
♭3個なら、ヘ・ロ・ホ、だから「変ホ長調」
…といった具合です。
♭系は♭が2個になった時点で
音名の前に「変」が付くので、
その後はすべて「変ナントカ長調」
ということになりますね。

~まとめ~
譜面左端の音部記号の脇に、
・調合が何もなければハ長調(orイ短調)
 (↑短調の説明は後日にします)
・#が付いていたら『トニイホロヘハ』の順で
 #の数と照らし合わせ、調性を導きだす
・♭が付いていたら『ヘロホイニトハ』の順で
 ♭の数と照らし合わせ、調整を導きだす
・「主音」に#や♭が付く場合には、
 音名に「嬰/変」を付けることを忘れずに

呪文のようにブツブツ唱えて、
覚えてしまうことをオススメします♪

***

余談ですが、私が答えの中で、
「一般的には」とした理由は、
私自身はその方法で覚えなかったから。
音楽高校に入って、
聴音や新曲視唱の授業の時に、
周りのクラスメイトがみんな、
「#3つだから、えっと、ト・ニ・イ…でイ長調」
とか呟いているのを見て、
「え?一体何なんだ、その呪文は!」と
1人密かに衝撃を受けていたのでした。(笑)

次回は、他の方法(見分け方)と、
私はどう覚えたのか?を
お伝えする予定です。
お楽しみに~。(´ー`)ノ

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