「中級」は続くよ、どこまでも2021/07/30

楽譜を探していると、
「導入~初級」や「中級レベル」など
記してある場合がありますよね。
また、ピアノ関係の調べものをすると、
「中級者にオススメの曲は(ほにゃらら)」
なんて書いてあったり。
で、いざ「中級」の楽譜を買ってみたら
「え?これが中級なの?」と
拍子抜けするほど簡単だったり、
逆に、難しくて譜読みもままならない、
なんてことも…。

はて?中級って…??
自分は一体どのレベルなんだろう?
って思ったことはありませんか?
実はこれ、スパッ!と答えられません。(笑)

・普段、取り組んでいる曲のレベル
・仕上げるまでに要する時間
・仕上がり具合(表現力を含めた完成度)
・音楽的知識の理解度・応用力

などなど、総合的に判断しないと
何とも言えないからです。
単純に、上級曲を弾いている=上級者、
ピアノ歴〇年だから、もう中級者、
とはならないんです。

・憧れの上級曲に挑戦!という初級者
・上級曲を用いてレベルアップをはかる中級者
・初・中級曲を美しく弾きこなす上級者
上記のどのケースもあり得るので、
「曲」では判断できないんですね。

***

ピアノの学習レベルを
人の成長に当てはめてみましょう。

導入~初級を「ピアノ子供期」とし、
中級~上級を「ピアノ大人期」と考えると
イメージしやすいと思います。
中学校を卒業するくらい(15歳)までを
「子供」とすると、
それ以降が「大人」ですから、
15歳から死ぬまで「大人」が続くわけです。
仮に100歳まで生きるとすると、
なんと人生の85%を「大人」として
過ごすことになります。

これを、具体的に考えると…

まず、ドレミを読むことから始まり、
フォーム、リズム、指使いなどを
学び始めた段階が導入期。
わからないことだらけのヨチヨチ歩き、
手取り足取り教えてもらう段階です。
そして、
様々な音楽パターンやテクニック、
決まりごとなど学びながら
必要なスキルを習得しつつ
「弾くこと」そのものに
慣れていくのが初心者。
更に、短めの曲(小作品、練習曲)や
様々な時代、タイプの作品を弾くことで
「譜読みから曲を仕上げるまで」を
バランス良く学び、
ピアノの”基礎固め”をするのが初級者、
…という位置付けになるかと思います。

一般的によく言われている基準では、
『ブルグミュラー25練習曲集』を終えると
初級レベルの力は備わったと考えられ
中級の仲間入り、とされていますので、
ここまでが「ピアノ子供期」ですね。

いよいよ中学を卒業するお年頃。
幼さは残るものの中級の扉を開けて、
さぁ、大人の世界へ!となるのですが、
いざ「ピアノ大人期」に突入してみると、
15歳も100歳も、み~んな一括りに
「大人」なんですよね。
年齢・成長・知識・経験に開きがあっても、
つまり、みんなピアノ中級者なワケです。
ワンサカいます。(笑)
そう!
この中級の幅がとてつもなく広いんです。
どこまでいっても中級。
いつまでやっても中級。
かなり頑張っても中級。
ピアノ歴の長短に関係なく中級。
『ブルグ25』を終えたばかりの人も中級。
「ブルグ25だ、懐かしい~」と言いながら
楽譜を見てサラっと弾けちゃうのも中級。

そんな感じです。

あれ?
じゃぁ、いつ上級になれるの?
そんな疑問が出てくると思います。
これがまた難しい。
…というのも、
「上級者」と呼べるまでになる人が、
ピアノ人口の割に圧倒的に少ない。
毎日練習していれば
いつか上級者になれるか、といったら
残念ながらそうでもない。(´・_・`)
幼少時代から10年以上続けていても
到達できない人の方が実は多いんです。

先ほどの人間の成長(年齢)で例えるなら、
これまでの人生で大きな病気などせずに、
基礎疾患もなく足腰も丈夫で、
めでたく元気に85歳を迎えられた人!
ピアノ上級者の域に達する人は
そんな割合だと思ってください。(笑)

そもそも、何をもって「上級者」なのか、
決まっていないので判断基準も曖昧。
私の個人的な見解としては、
少なくとも「上級者」と呼ぶには、
ショパンエチュード同等レベルの曲を
「次々と取り組んでいけるだけの能力」と
「中級曲を完成度高く仕上げられる腕前」
は必要であると考えます。

***

そんなわけで、まとめ。

基礎固めが終わったら、
めでたく中級の仲間入り!
そして、そこから中級者としての
長い長~~いピアノライフが始まります。
飽きちゃうんじゃないかって?
嫌になっちゃうんじゃないかって?
大丈夫。心配は無用です。(*´▽`*)
中級者が学べるピアノ曲には
その長~い年月をかけても
到底弾き切れないくらい
たくさんの曲が存在しており、
初級の頃に取り組んでいた曲からは
想像もできないくらいに
美しく個性豊かな素晴らしい曲だらけです。
もちろん上級曲に挑戦してみるのもアリです。

そんなわけで、
大勢いるピアノ中級者の皆さん!
地道に練習を重ねていけば
弾ける曲は増えていきます。
楽曲を深く掘り下げ、
自分の身体(の使い方)と向き合い、
テクニックを磨いていけば
弾ける曲のレベルも上がっていきます。
長い道のり、
「いつまでたっても中級だ」と凹まずに、
「できるようになったこと」
(=己の成長)に目を向けて、
「更なるレベルアップには何が必要か」
を一緒に考え、
これからも学んでいきいましょう。

全力でサポートいたします!ヽ(゚∀゚)ノ