音に磨きを☆2016/05/31

交流会の日が少しずつ近づいてきましたね。
参加予定の皆さん、
曲の進み具合、仕上がり具合は順調ですか?
私も皆さんに楽しんで頂けるよう、
今からコツコツと準備を進めています♪

ところで。
ある程度弾けるようになってきた曲を
最終的に仕上げる際、
皆さんは何を大切にしていますか?
どう弾くことを最終的な目標としていますか?

このような質問をすると、時々、
「1度も間違えずに最後まで弾く!」
という答えが返ってくることがあります。
もちろんミスは少ないほうが良いですよね。
間違えて変な音が出てしまったり、
何度も弾き直して流れが止まると、
「心地良い音楽」とは言えなくなるので、
ミスはしないに越したことはありません。

でも、
「1つも間違えない」=「魅力的な演奏」
とは言えません。

間違えないことを目標にして弾くと、
鍵盤を捉える指の動きそのものに
必要以上に固執することになり、
その結果、身体に無駄な力が入り、
伸びやかな音が出ないことがあります。
また、「間違いを回避する作業」に
意識を集中していると、
頭の中は常にフル回転。ピリピリモード。
こうなっては音を聴く余裕が持てません。
「指を動かす作業」に集中してしまうと、
脳ミソは「音は不要なもの」と判断してしまうので
自分で弾いているにもかかわらず
ピアノの音は聴こえなくなるものです。

「ピアノを弾く」という行為は、
鍵盤上で指を動かす作業ですが、
その先には「音」が存在し、
自分は「音楽を奏でている」ということを
決して忘れてはいけません。

「ここはキラキラと輝く雰囲気にしたい」
「悲しみと怒りの感情を伝えたいなぁ」
「遠くのほうから徐々に聴こえてくるように」
「霧が晴れてパ~っと明るくなる感じ」
などなど、
その曲がもつ背景や物語を想像し、
譜面にそって情景を思い浮かべ、
イメージを膨らませてみて下さい。

そのイメージに合う音が鳴っていますか?
どんな風に弾いたら
イメージ通りの音が鳴らせるでしょうか?
強弱など音量のコントロール、
鍵盤への指先のタッチの仕方(&離し方)、
テンポの揺らぎ、旋律の浮き立たせ方、
呼吸の取り方、ペダルの響かせ具合…
こういったことを掘り下げることで、
音楽の表情はぐっと変化します。
「こう弾いたらどんな音になるかな?」
「この弾き方でどんな風に変化したかな?」
常に自分の耳で確かめながら練習しましょう。

曲を仕上げる段階になったら
(本来なら「日頃から」が望ましいですが)、
自分の出している音に意識を集中し、
しっかりと聴くこと。←コレ大切!
間違えないように弾くぞ!と
指を動かすことに必死になるのではなく、
音色、響きをよ~く味わいながら弾くのです。
これが、音に磨きをかけて艶を出すコツ♪

ミスを怖れて縮こまらないで!
美しく生き生きとした音で奏でられた
情感がたっぷり豊かな演奏は、
ミスをミスと感じさせないほどの
心地良さと感動を
聴き手に与えることができるんですョ。

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…とはいえ、間違いが多く、
止まったり弾き直したり、の連続では、
いくら出している音が綺麗でも、
音楽として心地良く聴けないですよね。
部分的な抜出し練習やリズム練習、
ゆっくり確実に弾く練習など、
ミスを減らすための
技術的な練習も忘れずに~(*^ー^)ノ