上達の過程を知っていますか?2019/03/07

今日は前記事の続き。

上達するために必要なのは?
 ・人一倍練習をすること!
 ・時間をかけて回数をこなす!
 ・とにかく一生懸命やる!

ムムム。(-_-;)
どれも「正解!」と言いたいところだけど
残念ながらどれもイマイチ。(汗)
とにかく長い時間ピアノを弾けば、
ある程度は「弾く」ことそのものは
できるようになるかもしれませんが、
それで上達するのか?と言ったら微妙です。

「弾けるようになりたいな~」
から始まったはずのピアノですが、
練習を重ね、レッスンを進めていくうちに、
「両手で弾けるようになりたい」
「あの曲が弾けるようになりたい」
「スラスラと美しく綺麗な音で奏でたい」
「もっと難しい曲を弾きこなしたい」
「人の心に響く演奏をしたい」
…と、
徐々に理想や目標は高くなっていきます。
これは普通のことですし、
「もっと上手くなりたい」という気持ちは
とても大切ですね。(*´ω`*)

自分の理想に近づけるため、
自分の目標をクリアするために、
必要なスキルを1つ1つ身につけていくこと、
(より高いところを目指して登山するイメージ)
これが「上達」です。

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技能(スキル)の上達には
3段階の過程があることがわかっています。
 1 試行錯誤の段階
     ↓
 2 意図的な調節の段階
     ↓
 3 自動化の段階

何やら難しそう??
では、ピアノにあてはめながら
簡単にちょっと解説してみましょう。

≪1≫試行錯誤の段階
頭では理解していて、
アレコレ考えながらやっているけど、
なかなか思うようにいかない段階。

必死になって楽譜を読みながら
一生懸命に指を動かし
音を鳴らしている状態ですね。
この段階では、
回数をこなせばこなしただけ成果もでるし、
時間をかければそれなりに弾けてきます。

≪2≫意図的な調節の段階
流れやコツが掴めてきて、
意識してコントロールしながら
指が動くようになってきた段階。

一通りの譜読みが終わり、
なんとなく弾けるようになってきて
注意すべきことがわかってきた頃ですね。
「えっと、ここは5の指を使うんだよね」とか
「次の左手の低音でペダルを踏んで」とか
「ここのテンションはオルタードさせて…」とか、
色々と気をつけつつ弾き進められる感じ。

≪3≫自動化の段階
瞬時に判断ができ、
自然と身体が動いてくれる段階。

指(身体)が馴染んでスラスラと弾けてきて、
無駄な力みが取れて余裕が生まれます。
同時に自分の音に集中しやすくもなります。
横目にテレビを見ながら弾いたり、
夕飯のメニューを考えながら弾いたり…と、
少々、脳ミソを別のことに使っていても
指が勝手に動いてくれる感じですね。

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スキルの上達には3段階の過程がある、
ということ、お分かり頂けましたか?

この1→2→3という過程を経て、
「できるようになった!」「弾けてる!」
という実感が生まれると、
1つの山を登りきったことになります。
これは1曲を通した「全体」に限らず、
「フレーズ」単位でも同じことが言えますし、
もっと短く「部分的なこと」にも言えます。

そこで満足してしまった場合は
上達もそこまで。そこでストップです。
「よし、もっと速く弾けるようにしよう」とか
「別の弾きにくいフレーズもやろう」など
「もっと上手に」「より良く」と
次のステップを目指した場合、
今度は隣りにあるもう少し高い山を
更に登り始めることになるんですね。
そしてまた練習を重ね、
1→2→3の段階をふむことになります。
こうして、Aの山、Bの山、
更にC、D、Eの山…と、
少しずつスキルを上げていくわけです。

もちろん、いつも順調に1→2→3と
進んでいけるとは限りません。
壁にぶつかったり、やる気を失ったりして、
停滞することもあるでしょう。
一旦は出来るようになったことが
何かをきっかけに
再び出来なくなってしまうこともあります。
でもこれ、研究によれば、
上達していく過程において
「誰にでも起こる現象」なんだそうです。

闇雲にただ繰り返し練習さえすれば
それなりの成果を得られた
1の試行錯誤の段階に対し、
2~3の段階になるとそうはいきません。

自分だけができないわけでも、
要領が悪いわけでも、年齢のせいでも、
不器用なわけでもありません。
初心者さんもプロもみな同じ。(´ー`)
そんな簡単にホイホイと上達はしません!
(キッパリ!)
40年ピアノを弾いてきた私も
いまだにヒィヒィ言いながら
練習に励んでいるわけですから。(笑)
…とはいえ、ヒィヒィ言いながらも
山を登り切った時の達成感、満足感が
楽しくてやめられないんですけどね。

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これができるようになっても、
あれはまだできない。
こう弾けても、ああは弾けない。
一筋縄ではいきません。
上を見たらキリがありません。
やってもやっても次があります。
すぐに結果も出ません。
苦労してやっと登り切っても、
隣には更に高い山々が連なっています。

だからこそ、練習は量より質なんです。
練習の計画やちょっとした工夫、
気持ちの持ちよう、などで
練習の質を高めることが大切!!
闇雲に弾きまくって、
心身ともに疲れ果ててしまう練習や
時間だけ使って成果の伴わない練習は
もうやめましょう。

…ということで、
次回はいよいよ完結編です!
「上達のための練習ポイント」
を書く予定。
「無駄に長いッ!!」
という突っ込みは自分で入れますので、
もう少しお付き合いくださいませ~。(苦笑)

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